大カブラ(京都府・木村 忠志さん)

 

VSと私の夢

■京都といえば、漬物が有名で、特に千枚漬けは、全国的にも有名です。

■その原料となるのが大カブラです。篠町では、約30戸の農家が大カブラを栽培しています。私も父の代から大カブラを栽培し始め、現在では、春は白菜を50~60a、夏は、小松菜を中心とした軟弱野菜、秋から冬にかけては、大カブラを1.5haほど栽培しています。

■年中、播種・定植・管理・収穫と手を休める暇もなく野菜作りに励んでいます。その為に先祖から引き継いだ農地も年中休む間もなく、作物を育ててきました。

■その結果、年々作物は作りにくくなり、秀品率が低下し、肥培管理に至っては、長年のカンで行うだけの神経をすり減らす日々となりました。

■そして6年前の秋白菜・大カブラというアブラナ科の連作により、野菜のガンともゆうべき根コブ病が大発生しました。

■春白菜は、時期的に気温も低く、また地上部収穫するので、まだ被害は少なかったのですが、夏の高温期に播種し、根を収穫する大カブラに至っては、3年前には全滅に近い状態に至りました。

■まがりなりにも京都の中央市場で、1、2の相場を取っていただけに、他の農家からの注目も大で、人に会うのもいやになるくらい大きなショックを受けました。

■根コブ病は、センチュウによってできた根のキズ口から根コブの菌が入り、根が肥大していくと共に、直根や側根にコブ状のかたまりとなって発病し、やがてその部分から腐敗が始まり、商品価値はゼロどころか、以後の作付けにも連続して発生し、完全な防除方法はないといわれています。

■今後、大カブラを中心とした作付けは、大きく変更することはまず考えられない。ならば長い目で農地を若返らせ、もう一度、京都一の大カブラを作りたいと、肥料店に相談しました。

■何度となく両者で話し合い、いろいろ考えた末、土をもう一度30年前に戻すしかないという結論に達しました。

■一口に30年前といっても方法が見つかりません。そこでヒントをくれたのがブイエス科工の代理店であるアグリジィティ株式会社の田村氏だったのです。

■最初は半信半疑だった私も、肥料店やブイエス科工の熱心な指導と、先進地視察をくり返し、モミガラ堆肥を作り始めました。しかし面積が多いため半分位のVS堆肥を購入しました。

■土壌消毒をして、VS堆肥を反当り4t、VS34を10袋…それを毎年繰り返しました。少ない面積ならともかく、1.5haに毎年施用するには労力はもとより資金面でも大変な冒険でした。

■当初、根コブは減りはしたものの、秀品率はまだまだでした。何度やめようと思ったかわかりません。

■しかし、その都度、ブイエス科工と肥料店の土作りの信念と市場の相場にも助けられ、なんとか今日まで続けてきました。

■それには、二人三脚で京のカブラ・京千枚漬ここにありという一級品を作るという大きな目標があったからです。

■30年前には戻れませんが、年々農地は若くなり、根コブはほとんど無くなりました。秀品率も安定してきました。

■全国の皆様においしい千枚漬けを食べてもらう為、もっともっと良い品物を…私の夢はふくらむばかりです。

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